『いいえ、鬼畜です』の主人公共

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前の世界 朝 鳥の囀りとカーテンの隙間から入る光で意識が浮き始める。 狐「うわっ!? なに潜り込んでるの?」 意識が覚醒し始めたとき、今の状況に驚いた。 ツン「んん…………、はっ!? ……うううっさいわね! 起こしにきたらあんたがグースカ気持ちよさそうに寝てるから暇で寝ちゃったのよ!」 妹「兄さーん。起きてます……か……」 狐「えっ……あっ!? えっとこれは違くて!」 丁度に義妹が起こしに部屋にやって来た。だけど、状況が状況なだけで慌ててしまう。 妹「わかってます。兄さんにそんな度胸が無いくらい。…………あったら私がいの一番だから」 狐「えっ? なに、聞こえなかったけど?」 妹「いえ、わかりました。悪いのはそこの[ツンデレ]さんですから」 ツン「私が悪いって言うのか妹の分際で」 妹「はい。拒否している兄さんに迫ろうとしてますから」 ツン「上等だ! 表出ろ!」 妹「あなただけ出て下さい」 バチチッ 狐「ちょっと待った! そんな事は置いといて時間! 僕も朝食食べないと!」 妹「兄さんが言うなら」 ツン「狐塚がやばいんじゃしょうがないわね」 なんとか収まった。けど、毎朝これじゃ身が持たないよ。なんで入ってくるのかな? ところで、なんで水曜日にはスーパーボールに当たるのかな? 昼 義妹が作ってくれたお弁当を携えて、友人の陸華のところに向かう。 狐「陸華ー、一緒にご飯――」 会「狐塚! 一緒に弁当を食べようではないか!」 狐「えっと、会長さん……」 掃除用具入れのロッカーから生徒会長さんが現れる。なんか代々生徒会長に語り継がれる抜け道らしい。前に調べたけど僕には分からなかった。 会「会長とは他人行儀、更には敬称まで付けて……。私のことは[カイチョー]と呼べ」 狐「でも……」 会「だが……、っとこんな事をしている場合ではないな。早速どこかに」 狐「あの、僕は陸華と……」 侍「どこに行くので御座ろうか?」 会「…………チッ。 いや、それでは皆が来るのを待とうか」 侍「そうするが良いで御座ろう。でなければ拙者の葉桜が唸りを上げるで御座る」 二人はなんでいっつも喧嘩のようになるんだろう……。仲良くすればいいのに。 あと、それと、 狐「僕は陸華とも……」 陸華に視線を移すと、焼きそばヒレカツハンバーグパン(全長50cm)を食べ終わりかけていた。
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