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何とか顔の熱を散らす。
カウンターに入り、翔の貸し出しカードを机に出した。
「早く書け」
と、翔を睨む
多分
顔の熱は、引いた気がする。
翔が書いたのを確かめて、カードに判子を押した。
「貴様に貸す本など無い!!」と、どんだけ言いたい事か
でもその言葉は、ぐっと飲み込んだ。
また嫌味で返されるに決まっている。
「貸し出し期限は、守るように」
心咲は、言うと
カードを片付けた。
それからは、無視を決め込もうと
本を取りだし
集中する事にした。
「ああ、もう無視しようって訳ね
解ったよ、俺もそろそろ部活もどんないと部長にドヤされそうだし」
翔は、そう言うと
心咲に背を向け、扉に向かう。
そうだ
早く出てけ
そして、部活の部長とやらにボッコボッコにしてもらうんだな
心咲は、心の中で思うと
これでまた、静かに本が読めると
胸を撫で下ろした。
「ああ、この本
また火曜日に返しに来るからね」
そう言うと、バタンと扉を閉めて
翔は、図書室を後にした。
フン
わざわざ言わなくてもいいのに
火曜日…
火曜日!?
ハッとする心咲
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