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「おい翔!なにしてんだ
練習始まってんだぞ!!」
「はい今行き…」
「あっちょと翔!?」
部長に呼ばれ、駆け出そうとした翔の手を
何を思ったか、朱里が掴んで引き止めた。
「えっ何?」
驚いて朱里を見る翔
「手の甲どうしたの?
血が出てるよ」
慌てる朱里は、手当てをしてようと
翔の手を離し
少し離れた場所にあった救急箱を手にした。
「ああ、可愛い子猫ちゃんにね
大した事ないから」
翔は、そう言うと
そのまま皆の練習に加る。
後には、救急箱を持ち
キョトンとした朱里が残された。
そして、直ぐに
「朱里ちゃん手当てしてー」
「俺も俺も」
「俺が先だ!!」
と、バスケ部以外の男子まで
朱里の回りに集まってしまったのだが
「あーはいはい」
苦笑する朱里は、順々に手当してやる。
しかし、何処を怪我したのかさっぱりな奴まで…
困り果ててしまう朱里だった。
そんな朱里は、お構い無しに
腕立て伏せを始める翔だった。
彼には、今
『心咲』しか眼中にないのだ。
本当に参ってしまう。
顔を赤く染め
心の無しか、涙目にさえしている心咲に
『嫌だ見るな!』
なんて
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