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俺は、足早にその場所を離れた。
教室は、すぐ側で
特別、遅れそうと言うわけでもなかったが
嘘も方便だろう。
「何やってんのよ翔(かける)」
後ろから、聞きなれた女の声が聞こえたが
呼ばれてる名前は、俺じゃない。
「ん?ボールペン落としたから拾ってやったんだけどさ
アイツ無愛想だよな暗いしオタク臭いし」
さっきの男が不機嫌そうに返答する。
俺の話をしてるのだろう。
態とらしく、大きな声で言ったのは
俺に対しての嫌味だな。
女が何やら切り返している様だが
俺は、気にせず教室に入った。
おそらく
「心咲(みさき)は人見知り激しいのよ」と
フォローを入れてくれてるだろう。
心咲は、俺の名前だ。
女っぽくてコンプレックスなので
普通は、名字の「金田」で呼ばせる。
けど
彼女だけは、特別。
俺の幼馴染みで
名前は、土野朱里(つちのあかり)
幼稚園からの付き合いだ。
俺の唯一の親友だろう
と、言っても
俺は、親友以上に想ってるわけで
この高校だって、朱里を追いかけて入ったようなものなのだ。
だが、クラスが違ってしまい
あまり話しも出来てない
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