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心咲は、渋々先生の後に着いて行くしかなくなった。 ああ、やっかいな事になってしまった… どう説明したら良いんだ 『朱里を佐々木に取られて泣いてしまいました』 なんて 言える訳もないし 『佐々木に靴を隠されて帰れなくて』 なんて言ったら、それこそお笑いぐさだ。 佐々木にネタにされる。 心咲の足取りは、カナリ重たいものだった。 大体 佐々木は、何を怒っていたのだろう。 靴を隠した相手が泣いてたら 普通は、喜ぶ所じゃないだろうか 心咲は一瞬、泣きそうな顔を見られ 翔にからかいの言葉を投げられると思っていたので、拍子抜けだった。 『泣き虫野郎』ぐらいのあだ名は、付けられると思っていた。 教務室に入ると また、さっきの机に座らされ 先生は、真剣な眼差しで 「金田、やっぱり誰かにいじめを受けているのか? 今朝だって、洗濯に持って帰った中履きを忘れだだなんて おかしいと思ったんだ」 眉を寄せつつ、心咲を見詰める。 「いえ、単なる勘違いです 目薬さしただけなのに、佐々木くんは大袈裟ですね」 心咲は、ハハっと 苦笑して見せる。
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