次に

17/22
前へ
/632ページ
次へ
ああ、俺 まだコイツの手を掴んでたのか 翔の手も、一緒に離した。 だが、次の瞬間 反対に心咲の手を、翔が掴んでいた。 「外履きが無いのか!?」 見れば、不機嫌そうな顔の翔 「お前が隠したんだろ?」 他に誰が… 「俺じゃない」 翔は、怪訝そうに眉を寄せ 呟く。 そう 翔は、心咲の外履きを隠してはいなかったのだ。 「嘘だ!じゃあ誰が…」 「靴隠しなんて幼稚くさい事… 玄関で待ってろ 靴貸してやるから!」 翔は、そういうと心咲を残し 駆け出した。 残された心咲は、ポツンと翔の後ろ姿を眺める。 貸すって… じゃあ 佐々木は、どうやって帰るつもりだ? 大体、靴隠しなんて幼稚くさい事って 確かにそうだと思うけど じゃあ中履きの件は、どうなるんだ? 自分の事は棚上げか てか 俺、メチャクチャ恥ずかしいじゃないか 勘違いであんなにキレるなんて 最悪だ 穴が空いてたら入りたい気分って、こういう事なのか 心咲は、両手で顔を押さえた。 玄関まで来たが もう、裸足でいいから帰ってしまおうとさえ思えた。 「心咲ー」 翔の声に振り向けば、走って来る姿
/632ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3474人が本棚に入れています
本棚に追加