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「いいよ、その靴あげるから 隠された靴は忘れなよ それとも何か思い入れでもある?」 翔は、軽くドキッとしながらも 笑顔を崩さず、心咲に問い掛けた。 「いや、別に 安売りしてたから買っただけの靴だから いや、こんな高そうなの貰えない!」 翔のセリフに 心咲は、困ったように眉を寄せる。 「俺は心咲に履いてて欲しいんだけど… 中履きも新しいのあげるから明日からこれ履いてね」 ハッと、思い出したかの様に 翔は、手に持っていた鞄からビニール袋を取り出し 心咲に渡した。 「え?」 躊躇いがちにも受け取り、中身を確認する心咲。 それは、新品の中履きだった。 「って!貰えないよ 普通に俺の靴返してくれたら良いんだけど…」 心咲は、訝しげに翔を見詰める。 「だから、俺が持ってたいの! 心咲は俺の靴履いてくれないし もう購買で買ったんだからこれ履いてよ!」 軽く拗ねたように言う翔だが 言ってる事が意味不明だ。 「はぁ?」 思わず眉を寄せて、翔を睨んでしまう。 心咲には、そのつもりはないのだが 無意識な睨み癖が有るようだ。
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