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「え?違うよ、心咲と離れたのは寂しいけどさ…
ほら、新入生代表で壇上に上がった人見てた?佐々木翔さん」
と、陽気に話を振られ
あまりに唐突な話の切り返で、脈略が掴めないのだが
「あっああ」
一応、思い出しつつ返答する。
「すごいカッコイイなぁと思って、同じクラスになったらなぁって思ったの
そしたら同じクラスでさぁもーどうしょう
しかも私の隣の席だよ
ドキドキしちゃう」
思い出に浸るかの様にうっとりとし、頬に手を当てながら頬を染める朱里
おそらく、今
朱里の頭の中は、佐々木翔で一杯なのだろう。
「えっ」
俺は、思わず絶句した。
朱里
アイツに惚れちゃたのか?
そりゃあ、確かに
滅多に居ないだろう、美形な男ではあったけど…
無償に腹がたった俺は
「心咲も応援してよね!」
と、人の気も知らず
恋する乙女の様に、幻覚の花を飛ばす朱里に向かい
「応援なんて…
絶対アイツ女ったらしだ!やめとけよ!」
思わず、怒鳴り
彼女の手を強く掴んでしまった。
「なんでそんな事、心咲に解るの?
適当な事言わないでよ!!」
珍しくムッとし、朱里も言い返して来る。
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