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黒髪の方が我々のジープに向かって運転し、金髪の方が発砲していた。構えこそきちんとしていたが、弾をバラまいて正確な射撃が出来ずにいる。
これが俺にとって最初の銃撃戦なら闘争心に身をまかせて撃ち返したり車で突っ込んだりしていたがろうが、あえて逃げた。
走行する車からの射撃はかなりの技術がいる。訓練でやってみたがとても狙った所に当たるものではなかった。
それを知ってか知らずか黒髪の犯人は発砲を続けた。
もっとも撃ち返すのはためらわれた。
「スヌーク!発砲は控えろ。
向こうには人質がいるし周りは住宅街だ」
「了解した。
まさか貴官の口から発砲は控えろなどと言うとはな」
どうやらスヌークも軽口を叩く余裕くらいはあるようだ。
「だけど、どうするんだ?
あれだけ撃ちまくってたらいつか当たっちまうぞ!」
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