34人が本棚に入れています
本棚に追加
/245ページ
この隙にと人質は逃げようとする。慌てて金髪の方がその腕をつかむ。
もう一発、土手に撃ち込んでみるが黒髪の方が、こちらに向けて発砲するだけだった。
人質が逃げる事を期待したが無駄だったようだ。
おまけに周りに多数いる覆面パトカーも小銃弾を用いる短機関銃に手を出せずにいる。
犯人達は人質を連れて車に乗り込んでしまった。
その犯人達の視線が我々、いや唯一発砲した俺に向けられる。冷静さを失っているのが分かる。
そうか。昨日の俺はあんな顔をして彼らを追いかけたのか。
その彼らの放った銃弾がヘルメットをかすめる。
慣れとは恐ろしいものでそれでも俺の頭は静かに状況を分析していた。
最初のコメントを投稿しよう!