第 3 章  仕組まれた愛

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「大切に育てるさ・・・火行の鬼、崩月山の祢々斬の赤子だ、闇の鳳凰 にも成り得るだろうよ・・・くくっ・・・楽しみだなぁ・・・ 力がつくまで、他の何も知らぬ里人にでも育てさせるさ」 女の瞳が男の深淵を見た時、赤子は男の手に渡り、女は背後から雑鬼 達に切り裂かれていった。 男は、鮮血で汚れた赤子のおくるみを剥ぎ、血溜まりに捨て、立ち去った。 続いて二つ目の珠が弾ける。 また白い光が広がり、裏庭に場面が変わる。 櫟の木の根元から、深緑色の闇のような光が溢れ、月讀が掛けた注連 縄が契れて落ちる。 そこから現れたのは、灰色の髪の男だった。 手には、見たことのある霊珠が、重々しい作りの数珠に繋げられている ものを持っていた。
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