21人が本棚に入れています
本棚に追加
御所の前庭より、二人が屋敷に入ろうとした時、一羽の白鷺が二人の
目の前に降り立ち、その姿が無月の姿をかたどる。
そして 久遠が見せた回想球の内容を簡潔に伝え、消えていった。
祢々斬の全身から、紅い光が立ち上がる。
碧 「祢々斬・・・!」
碧がとっさに祢々斬に抱きつき、怒りを鎮めようとする。
碧 “ここでは駄目! 謀反として見られるわ!”
祢々斬は込み上げる怒りを何処にぶつけて良いか判らず、ただ拳を握り
唇をかみ締めた。
懐に抱きついている碧を今の感情のまま抱きかかえれば、殺してしまい
兼ねない。
握り締める拳と、唇から血が流れる。
式神と二人の様子をかなり離れた所から月讀が見ていたが、全て見通
していたようで、月讀も同じく拳をぶるぶると震わせていた。
最初のコメントを投稿しよう!