21人が本棚に入れています
本棚に追加
玖々廼馳の腕の中で、茜が目を覚ました。
始め、ぼうっとした表情で、暫く自分が置かれている状況が把握できず
玖々廼馳の顔をじっと見ていたが、さっきの回想球で、呼び起こされた
記憶に気付き、蒼ざめ、玖々廼馳の腕の中から逃れようとする。
玖 「茜ちゃん! まって・・・」
もがく茜を玖々廼馳は更に自分に引き寄せ、頬に口付けをする。
茜の抵抗が止まる。
玖 「茜ちゃん・・・僕、君が好きだ・・・どうしたら君を奴から守れる?
どうしたら・・・」
茜 「・・・玖々廼馳・・・あたい・・・
あたいを妹の様に見守ってくれた筈の・・・里人の盾になって戦って死ん
だ筈の、要兄が・・・私を誘拐った当人だったなんて、知らないどころか
慕って・・・そして・・偽りの敵討ちまでそそのかされていたなんて!」
玖々廼馳の腕に僅かに力が入る。
玖 「やつが 何故茜ちゃんを使ってまで、鬼達を一掃したがっているの
か、さっぱり判らないが、やつは君が生れる前から、あの女術士を騙して
君を手に入れる為の画策をしていたんだ・・」
最初のコメントを投稿しよう!