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茜 「・・・そうなの?」
茜が玖々廼馳の顔をじっと見る。
玖々廼馳は眉間に皺を寄せて、珍しく低い声でゆっくりと返事をした。
玖 「今みたいな事は・・・絶対考えちゃ駄目だ。
狡猾で卑怯な者は、魔物だけとは限らないんだ・・・逆に、力の弱い
人間の方が、俺達鬼や妖なんかより、ずっと悪質な者が居たりする」
茜 「あたい・・・世間知らずだ・・・こんなあたい・・・赤子の時にその
まま、殺されていたほうが・・・・!?・・・・」
言いかけた茜の口を玖々廼馳が唇で塞ぐ。
茜 “玖々廼馳!・・・”
玖 「そんな事 もう言わせない! 君が居なくなれば、君の家族が悲し
む。
勿論、僕だって!!」
ちょっとの間、茜の両手が玖々廼馳の着物をあちこち引っ張ったり、掴ん
だりしていたが、やがて玖々廼馳の背に回り、落ち着いた。
茜 “玖々廼馳が・・悲しむ・・?・・・”
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