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「なんか、響ちゃんから絡み付くような冷気が…。気のせいかな?
とにかく、良かったら一緒に食わね?」
腕をさすっていた佐伯が司に聞く。ピクリと反応したのは響だ。
佐伯…なんて嬉しい誘いをするんだ。
司は仁美をうかがい、うなずいたのを見てにっこり笑った。佐伯に。
「じゃあ、お邪魔じゃなかったら…」
「…ぅぐあっ!?寒いっ!?これから夏だっていうのに、真冬の雪山が見えるっ!?」
「…?じゃあ、お弁当持ってくるね。ご一緒してもいいかな?響くん…」
司は佐伯の奇行に首をかしげた後、うかがうように見上げてきた。
「もちろん。大歓迎だよ」
「良かった。じゃあ、ちょっと待っててね。行こう、仁美」
司は仁美と教室を出ていく。
響は熱が集まる顔を片手でおおって、方肘をついた。
久々の…真壁さんの上目遣い…。ヤバすぎ…。
佐伯はまだ凍えている。
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