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多めに作ったというわりには、あっという間に重箱は空になり、食べっぷりに苦笑いする。 相葉が飲んでいたジュースを置いて言った。 「司ちゃん、仁美ちゃん。すごく美味しかったよ。ありがとうね」 「はいっ!こちらこそ、全部食べてもらえて、嬉しいです」 司も満足そうに笑う。 それを見て、相葉が少しだけ目の色を変えた。 「今日、誘ってくれてホントにありがとう。いい思い出になったよ。な、拓真?」 「うん。すっげぇ楽しい。俺ら、先に卒業しちゃうじゃん?こんなして遊んだり、なんてもなかなか出来なくなるもんな」 「……はー。拓真、一言も二言も……全部か。余計に言い過ぎ」 「えっ!?全部っ!?」 響が司達の様子をうかがうと、複雑そうな表情をしていた。 あーぁ。まったく…。 相変わらずのKYっぷりだ。
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