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さて。と相葉が仕切り直すように手を叩いた。 「飯も食ったし、次はなにする?人も減ってきたからビーチバレーでもやろうか」 「お♪賛成!食後の運動だな!」 相葉の提案に拓真が賛成する。 司と仁美は顔を見合わせていたが、苦笑いして吹っ切れたようだ。 「はいっ!賛成です」 「浜辺なら司も十分遊べるしね」 「……なんか、子供扱いされてる?」 仁美に向けて、むーっ!と頬を膨らます司の顔がかわいくて、また響は目を反らせなくなる。 そうだ。僕には先輩よりもほんの少しだけ、一年間という、アドバンテージがある。 真壁さんの笑顔やその他の顔を、先輩より長く沢山そばで見ることが出来るんだ。 先輩達の卒業は、寂しくないと言えば嘘になる。まぁ、正直いなくなってせいせいするっていうのはあるけど。 その日が来るまでは、この騒がしいのに付き合うのも、悪くないよね。 立派に響も、騒がしいのの一員なのだが。
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