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しばらくして、司と仁美が戻ってきた。 交代で響と拓真が着替えに行く。 あとはパラソルを畳むだけのその場所では、相葉が椅子に座り二人を迎えていた。 「おかえりー。なんもなかった?」 「ちょっと…声をかけられましたけど、逃げてきちゃいました」 えっ!?また!? そのセリフが聞こえたとたん響の足は無意識に司に向いたが、拓真が肩を組んできたので無理矢理連行される。 相葉が神妙な声色で言った。 「もしかして……拓真?」 「孝之っ!?違うからねっ!?」 先輩って拓真先輩をいじるの好きだよなぁ。と響は思い、相葉の元へ走っていく拓真を止めなかった。 「拓真先輩ー。先に行きますからね?」 一応一言叫んでおいて、シャワールームに向かった。 意外と綺麗に整備されたシャワールームに入ると、後ろからドタドタと足音が聞こえる。 拓真先輩もう来たのかな? そう思いながら、シャワーの蛇口を捻った。
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