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暖かいお湯をありがたく思いながら浴びて、身体についた砂を落としていく。
未発達、とは言え数々の修羅場を越えてきた響の身体は、細くともか弱くはない。
身体のあちこちにある小さな傷は、事故によるものだがたいして目立たず、今日も特に突っ込まれることはなかった。
肌は下手をすると女子より白い。日焼けした肌はヒリヒリするほど赤くなっていたが。
肩が細く、筋肉質という訳でもないから後ろ姿はやはり、女の子のように見られても仕方ないのかもしれない。
「うわ…。結構砂だらけだ。泳いでないのに……」
ちょうどシャワーを使っているのは響一人だけのようだ。
黒髪をお湯で流していると、背後に人が立つ気配を感じた。
拓真先輩かな?……また変なイタズラでもしようっていうのかな…。
……はあぁ。
ため息をついて、シャワーを止める。キュ、とシャワールームに音が響いた。
「拓真先輩、さすがにここでなにかすればへんた……」
変態って一生呼びますからね。
と、最後まで言えなかった。
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