9/11
前へ
/124ページ
次へ
拓真が響の頭にタオルをかぶせる。 「コイツ、お前を縛り上げようとしてたみたいだぞ?もしかして、拉致ようとか思ってたのか?」 「後ろにいるの、先輩だと思ってたんで油断しました。でも、僕この人に見覚え無いんですけど、通りすがりですか?」 響は身体をタオルで拭きながら、拓真を見上げた。 拓真は、きょとんとしてなにも言わなかった。 キレたのは金髪男だった。 「テメェ!!忘れたとか言わせねぇぞ!?つーかさっきので思い出せよ!!」 「ロープを持った金髪のマッチョさんに知り合いはいません」 「知り合いじゃねーよ!!」 「なら尚更です。一応聞きますが、なにか僕に用ですか?」 身体を拭き終わり、服に手を伸ばす。その手を拓真が掴み、止めた。 「響。俺は覚えてるんだけど……?」 「拓真先輩の知り合いですか?」 「「違うから!!」」 拓真と金髪男がハモった。 なんでもいいんだけど、着替えさせてよ。僕、裸なんだけど……。
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加