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拓真が響の腕を離し、苦笑いした。
「あぁ。お前、記憶力悪いんだっけ?」
「失礼な。覚えられないのは人の顔と名前だけです!!」
やっと下着を掴み、装着完了。
「テメェ……いい加減にしろよ…っ!?」
わなわなと肩を震わせ、金髪男がずかずかと歩いてきた。
「昼間!!お前が茶髪の女の子と歩いてる時に、ナンパされたろうが!!そん時お前を捕まえたのがオレだっ!!思い出したかっ!?」
響はうーん。と唸り、思い出す。
ああ。そういえば……。
「あの時後ろから羽交い締めにされたから、鳩尾に一蹴り、反動つけて宙返りして、背中と股間への一蹴りで砂浜に延びた………ハマトーさん?」
「なんでそんな事細かに攻撃パターンは覚えてんのに、名前だけ間違えんだよ!?カトーだっ!!加藤!!」
ジーンズに足を通してベルトを締めた響は、忘れていた事を思い出してスッキリした反面、司がナンパされた事を思い出して、怒りが湧いた。
「……へぇ?で、その加糖さんが、なんの用ですか?」
砂糖は入ってないよ。と突っ込む拓真の声は響には聞こえない。
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