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響は高校一年生で、一人暮らし。理由は両親が事故で亡くなったから。一時は親戚に預けられたのだが、老齢だったため数年一緒に暮らした後、亡くなった。 今はその親戚の家に一人で住んでいる。 親戚の老夫婦と一緒に暮らしていたからか、響は一通りの家事は出来るようになっていた。 もちろん、食事の用意も出来るのだが毎朝弁当を作ろうとは思えず、近所のパン屋さんで二つ三つパンを買って済ましていた。 佐伯は響の身体が細く、しょっちゅう貧血で倒れる体質を心配し、彼なりに気をかけてくれているのだった。 「響ちゃん、ちゃんと肉食えよ!また倒れるぞ?」 「大丈夫だよ。最近は…調子いいからさ」 ドンッ!と自分の大きな弁当箱を出した佐伯に苦笑いして、パンの袋をあける。
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