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「いい加減にしろーー!!」
突然大きな声が聞こえ、それと同時に2人がピタリと止まった。
「訳が分かってない奴の前で喧嘩始めたら、余計ややこしいだろーが!」
「……何処から声が…?」
蝶華は辺りを見回すが、声の主はいない。
「おい、てめぇの方がややこしいぞ」
「えっ、マジ??分からない?」
頭上から羽を羽ばたかせる音が聞こえ、蝶華は上を見ると、羽のある黄色い物体がバサッバサッと音を立てて蝶華の足元に着地した。
それはよく見ると、背中に蝙蝠のような羽があり、肩に乗るぐらいのサイズの小さな狐だった。
普通の狐ではないのは分かるが、例えるなら女子高生の鞄に付いてるような大きさのアレに似ている…
「………ストラップ…?」
「違うわーーーー!!」
狐は物凄い勢いでツッコミをした。
「フフフ…、確かに『ストラップ』はお似合ってるわね」
また何処からか別の声が聞こえた。また蝶華が辺りを見回すと、
「ここよ、ここ」
二ュ…
突然、少年の肩から何かが姿を現した。
少年の肩からピョンと降りたものは狐と同じぐらいのサイズで背中に蝙蝠のような羽がある蛇だった。
「…へ、…び……」
「フフ、こんばんは♪」
「……の…ストラ…」
「あんなお馬鹿狐と一緒にしないでね?」
蛇は黒いオーラを出しながら蝶華の言葉を遮った。
オーラに圧倒された蝶華がチラッと狐を見ると、蛇の言葉を聞いた狐は見るからに不機嫌な顔をしていた。
だが、どうみても狐と同じ大きさなので否定が出来ないのだが…
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