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今の蝶華は、鏡子の言葉で既に怯えていた。
自分以外のシン、エンヴィーとグリード以外の〔煉獄〕の悪魔、そして、彼らを殺す命令…
これらの事実に押し潰されそうになった。
(エンヴィーとグリードがあれだけ強い力を持ってるんだ…あっちは下界に降りたのが早い分、強いはず…
もし戦って負けたら…?エンヴィーとグリードが殺される…?私の2人の記憶が消される…?
嫌だ…そんなの嫌だ…!二度と大切なものを失いたくない…!!)
「蝶華…?」
「どうした蝶華!?」
頭を抱え座り込んだ蝶華をスイとキィが心配するが、蝶華には届いていない。
彼女の頭の中に、葬式のときに見た両親の死に顔が甦った。
眠っているみたいで、でも、触れると肌は冷たく、二度と起きてくれない…大好きな両親…
(もう…!お父さんとお母さんみたいに失いたくない…!!)
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