パーティーと魔兎

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「蝶華ちゃん…いい子だと思ったけど、意外と悪い子だったのね。 レヴィアタンとマンモンが教えたらしいけど、私の魔名は“ラスト”じゃない! 『色欲』の悪魔、“アスモデウス”!シンの鏡子から与えられた名は“あすか”よ!!」 あすかは先程の雰囲気が無くなり、彼女の怒鳴り声は、まるで獣の咆哮のようだ。 「…私はアーナ…アーナブラッディ…!」 「ヤコブラッディ…俺達は主達の決闘を許可する…!」 スイとキィはそう言った後、3人に笑いかける。 「ありがとう…スイ!キィ!」 「さすがスイ♪」 「キィ、サンキュー!」 エンヴィーとグリードはそう言うと、相手をグルルルルッ…と威嚇をしながら黒狼の耳に変え、爪と犬歯が鋭くなり、ズボンを下げ出てきた尻尾をひと振りする、黒き狼の半獣姿に変わった。 対してあすかは、ウゥーー…と唸なると、耳が白い毛に覆われ、彼女の豊かな胸まで下がる長い兎の耳に変わった。 「兎の契約獣か…素早そうだな。だが、エンヴィーとグリードが絶対捕まえてやる…! 2人は負けない、勝つ!!」 「出来るならやってみたら! 狼は兎を狩るけど、契約獣では立場を逆転させてやる! その裏切り者達をあすかの餌食にしてやるわ!!」 シン達の言葉と共に、エンヴィーとグリード、あすかの咆哮が廃れた店に響き渡り、〔煉獄〕の悪魔同士の戦いが始まった…
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