傷痕と『色欲』

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「次は貴方よ、レヴィアタン…!」 「!」 ガギンッ! あすかの蹴りをエンヴィーは両手の爪でガードした。 あすかの編み上げブーツに、エンヴィーの爪が少しずつ食い込む。 「…1つ聞きたいんだけど……?」 「殺られる前にしては、ずいぶん余裕ね…?どうぞ?」 苛立ちながらも不敵に笑うあすか。 「…どうして“アイツ”から貰った名を棄てたの?」 「!?」 エンヴィーの問いかけに、あすかが戸惑いの表情を見せた。 「ラストは、“アイツ”と女同士の話をして楽しいって…名を貰って嬉しいって言ってただろ…!?何で棄てたんだ!?」 「………」 エンヴィーの問いかけに、あすかはまた黙った。 「聞いてるのラス…」 「違う……!」 エンヴィーの言葉を遮り、あすかは一言言い放つ。 「私の魔名は、“アスモデウス”…“ラスト”じゃないわ!!」 あすかはそう言うと勢いをつけて軽く飛び、逆の脚でエンヴィーを蹴り飛ばした。 「ぐあっ…!」 逆の脚の蹴りを咄嗟にガード出来ず頭に衝撃を食らい、エンヴィーも店の下に落下した。
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