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「大丈夫か!?エンヴィー!グリード!」
蝶華は落下したエンヴィーとグリードの元に急いで駆け寄った。
「大丈夫だよ、蝶華」
「ちと蹴られただけだ…」
むくりと起き上がるエンヴィーとグリードは平気そうに言うが、服は破れ、顔や手足は傷だらけだった。
「な、何で傷が再生しないんだ…!?」
いつもならすぐに再生するエンヴィーとグリードの傷は、いつまで経っても再生しない。
「それは、同等の魔力を持つ者がつけた傷だからよ」
蝶華達を仁王立ちで見下ろしながら鏡子が言った。
「えっ?」
「上級悪魔から使える再生能力…頭が飛んでも、内臓がえぐられても、あっという間に再生する。
一見便利そうだけど、自分と同じ魔力を持つ者から受けた怪我を再生することはできないの」
鏡子は不気味な笑みを浮かべた。
「下級や中級はその2体は殺せない。でも、上級悪魔の、同じ〔煉獄〕の悪魔なら出来る…
しかもあすかはこの1年半近くで、たくさんの下級を喰った…つい最近下界に来たコイツらより強いんだから!」
彼女はあすかの勝利を確信している…鏡子の様子を見て、蝶華はそう思った。
「ギギャア!」
そのとき、先程のインプの1体が鏡子に襲い掛かった。
「…私の盾になりなさい… 」
頭上からあすかが鏡子の前に軽やかに降りた。そして近付くのインプを前にそう言う。
「危ない!」
敵の危機を叫ぶ蝶華を、エンヴィーとグリードが制した。
「どうして止めるんだ!?」
制した彼らに言いながら鏡子達に視線を戻すと、蝶華はその光景を疑った。
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