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インプが噛み付いているのは、鏡子の前にいるあすかではなく、一緒にいた仲間のインプだった。
「ギギャ!?」
「ギ…ギギ…ギギ……」
頭を噛まれたインプは大量の血を流しながら息絶えた。
グシャ!!
「!!」
あすかは盾になったインプと襲い掛かって来たインプを一緒に蹴り飛ばした。
インプ達の頭は砕け散り、蝶華達の所まで血が飛び散った。
「あのインプのうなじを見て」
蝶華はエンヴィーが指差す方を見た。
エンヴィーの指差す方…盾になったインプの死体のうなじには、ピンク色の花の模様があった。
「あの烙印の花がストック…
ラストの魔法〈虜〉にかかった男のうなじに発生して、弱い奴なら意識まで操られるよ」
「じゃあ、インプはもう操られていたのか…!?」
「そうよ…しかもまた名前言ったし…」
蝶華の問いかけに、エンヴィーではなくあすかが答えた。
「かかった男を自分の盾にし、敵の不意をついて一緒に消す…ハッ!変わんねぇ戦い方だな」
呆れ気味に笑うグリードにあすかは鼻で笑う。
「ほとんど反撃しないアンタ達に言われたくないわ。
私の魔法の使い方に文句があるなら、アンタ達の自慢の魔法を使いなさい!」
あすかがエンヴィーとグリードにそう言ったとき、建物の陰から大量のインプが現れた。それら全て、店で操られていた男子と同じような状態だった。
「こんなにたくさんのインプが…!?」
「フフ…レヴィアタンとマンモンの死刑命令は他の〔煉獄〕も受けてるわ。人間に成り済ますのにその偽名と瞳は、殺しに来いって言ってるものよ…
さぁ、魔法を使いなさい。女だからってなめないでよ…!」
イラッ…
あすかの余裕の言葉に、エンヴィーとグリードの雰囲気が少し変わったのに蝶華は気付いた。
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