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「…!」
「どうしましたか?お師匠様」
縁側で寝ていた紅が突然立ち上がり、茶を持ってきた少年が声を掛ける。
「いや…空間魔法の発動した感じがした」
「やはりお師匠様は凄いですね。僕なんてまったく気付きませんでした」
少年が尊敬の眼差しで紅を見つめる。
「修業が足りないだけだ。オレの弟子であるお前だって、もっと修業すれば感じ取れるさ」
紅は親のように少年の頭を撫でる。少年は恥ずかしそうに、されど嬉しそうに笑う。
「出掛けてくるぞ」
紅は下駄を履きながら言う。
「松葉も帰らないし、迎えついでに少し様子を見てくるよ。
阿吽が荷物運んで来たら、すぐオレの部屋に持っててくれ、桔梗」
「はい、お気を付けて…」
少年…もとい桔梗が言うと、紅は消えた。
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