嘘つきだけの。

わたしは、

むろん、悪いことは何ひとつしていない。

しかしなんだか、どうしても
うしろめたい気持ちがして
しまうのはなぜだろうか。

その元恋人、井上先生は私のことが本当にすきだったはずだ。

自惚れているわけではなくて
ほんとうに、そう思える。

全力で、恋をしていた。

あのときほど、勢いづいた恋を
したのは後にも先にもない。

これから結婚する相手のことは
もちろん愛している。
しかし、それとこれでは話しが
別物なのだ。

交換日記の始まりは、私が高校1年生になったばかりの10年も前にさかのぼる。