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高校入学。
晴れやかな響きをもつ
それは私のこころにも
平等に非日常的な楽しさ
を振り撒いた。
ところが、私は入ったばかりの高校の何もかもが嫌になった。
勉強が嫌いだったわけではない。
友達がいなかったわけではない。
人間関係に疲れたわけではない。
むしろ私は勉強するのは
好きだし、少ないながらも
友達がいた。
こじれるほどの人間関係も持っていなかった。
何が嫌になったかというと、
まわりの人たちは誰もが
「できる」人間だったこと。
私は周囲と比べて、
圧倒的にできない人間
だということに、
気づいたのだ。
頑張って、頑張って勉強しても
クラスでは中の下の成績。
頑張って、頑張って練習しても
選抜メンバーに選ばれない
部活動。
素直に友達を応援出来ない自分。
やればできる、と自分に
騙しきかせ、実は何も
できない人間だということを、
肯定できない自分。
私はいつも駄目人間で、自分以外のまわりが全て輝いて見えた。
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