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顔の怖いおっちゃん
“日向武蔵”(ひなた むさし)と
武蔵の犬、“小太郎”との
出会いと別れの物語を
書きたいと思います!
夕方の5時半
遊びを終えて家に帰ってきた
犬をつれて。
「ちょっと、武蔵!!
何なの!これは!!」
母さんにめちゃくちゃ叱られた
武「拾ったの」
日向武蔵、5才
夏休みのとある日に
通っている保育所の門の前で
犬を拾う。
この保育所が
後のおひさま園となる。
「拾った!?
早く、元の場所へ戻してきなさい!」
武「やだ。」
「ダメ!!!!」
武「やだ!!!!」
俺は一歩も譲らなかった
ついに母親が折れて
飼ってもいいということになった
武「やったな!小太郎!」
小太郎「ワン!」
小太郎は
まだ赤ちゃんで
とても元気な犬だった
―…25年後
日向武蔵、30才
おひさま園、建設。
武「ほら、小太郎
これが俺のおひさま園
ここで、お前みたいに
親のいない子達を育てていくんだ」
小太郎「わん」
武「覚えてるか?
ここでお前を拾ったんだ」
小太郎「わん!」
親は小太郎を撫でた
小太郎「くぅ~ん」
武「…お前と出会って25年。
本当に、出会えてよかった」
小太郎「くぅ~ん?」
…小太郎の
寿命は、もう長くない
だから
俺は小太郎に伝えたかった
お前と居れて
俺は幸せだった。と
9月15日
満月の夜に
小太郎は息をひきとった
俺を見て
小太郎「わん!」
そう一言、鳴いて。
そして
幸せそうに眠った
その言葉は
俺には「がんばれ!」と
確かに聞こえた
その夜に
小太郎と同じように
門の前に捨てられている
赤ん坊を見つける。
俺はその赤ん坊を
優しく抱きしめて
武「……こたろう」
と名付けた。
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