それでもあなたのそばにいる

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――個人差はあれど……人間は日進月歩だからな。いつまでも同じ状態が続くわけにもいかないか。 今のリアなら、事実を打ち明けても大丈夫だろう。 「リア、お前は普通の人間とは違う。異常なんだ」 「……」 「お前は心身共に常人よりも成長が遅い。それはつまり嫌でも長生きするということだ。比喩でもなんでもない。お前は長い時間を生き続けるんだ」 「……」 リアは静聴している。きっと、色々なことを考えているのではないかと思う。それでも意識は要の言葉に傾注している。 「俺の一生はお前にとっての一瞬でしかない。俺はお前よりも先に死ぬ。ずっと面倒を見てはやれないんだ」 「要、私わかってたよ。だって……私は変わらないのに、要の姿はどんどん変わっていくんだもん。自分がおかしいってなんとなくだけど、わかってた」 「そうか……」 「要、お願いがあるんだ」 「なんだ?」 「――私を殺して?」
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