それでもあなたのそばにいる

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「でも、私は要に傷ついて欲しくないよ……」 それはリアにとっては願いと同義なのだ。リアにとって要は何物にも代え難い存在。だから本音を言ってしまえば、彼には今の仕事を辞めて、もっと安全な職に就くことを望んでいる。 もし要が死んでしまったら自分は理性を保てるだろうか。そんなの無理に決まっている。 リアの言わんとする事は要だってよくわかっている。リアは寂しがり屋で甘えん坊で、何よりも孤独を嫌う。 「俺はとある男に拾われて組織の一員となった。そしてその為に費やした努力は、この仕事でしか発揮されない……俺はな、こんな生き方しかできないんだ。誰かが危険にさらされたなら、蛮勇でも助けに走り、必要があれば人を殺す」 「……」 「だからリア、俺はお前が生を望むなら、命を賭けて守ってやる。どんな奴らからでも守ってみせる」 それは要の誓いに似た願望でもある。命を賭してでもリアの安息を守ろうとしているのだ。
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