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目に涙を溜まらせた副会長が……。
「え?副会ちょ…」
俺が副会長と言い終わる前に副会長はもうダッシュで校内に戻って行った。
どうしたらいいのか分からずワタワタしてると、
「希美先輩!」
雨がニコニコしながら手を振っている。
さっきの泣き顔が嘘のように今は笑顔だ。
「ありがとう!!」
雨に精一杯の感謝を伝えて俺は副会長を追った。
校内に入りとりあえず、上へ上がった。
もうそろそろ屋上だ。
すると、階段の隅で丸まってる見慣れた姿が…。
見つけた……。
「副会長……。」
なるべく優しい声で副会長を呼び、副会長の背中を抱きしめた。
ビクッとなり逃げようとする副会長を離すまいと腕にぎゅっと力を込める。
「っ…今更何しに来たんですか!雨と一緒にいればいいでしょ!?」
………それって
「副会長…それって、嫉妬?」
「っ!そうですよ!呆れましたか?あなたが数日居なかっただけで寂しくて、さっき雨とキスしてるあなたを見てやっと好きなんだっ、て分かったんです…。
でももう雨と付き合ってるから遅いですよね。
いつもそうだ、大切な物は一回離れないと分からない…。
どうして気づいたときには遅いんだ…。」
あぁ、可愛い…。
涙をポロポロ流す副会長がとても可愛い。
普段の副会長に可愛いって言葉は似合わないと思うが今は可愛いしか似合わないと思う。
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