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ーー天界ーー
「何をおっしゃっているのですか!? 神様!!」
一人の男の声が真っ白な空間に響き渡った。男の背中には天使を象徴する白い羽が生えている。
男の目の前に居るのは白い衣に身を包む一人の少年。この空間に居るのは男と少年の二人だけだ。
男は少年に跪く形で少年からの反応を待っていた。
「言葉の通りだ。我は今日この時をもって神をやめる」
神を名乗る少年は男に向かって冷静な口調で淡々と話す。
「何故ですか!?神様が居なければ誰がこの世界の秩序を守ると言うのですか!?」
男は我慢できずその場に立ち上がった。その表情からは動揺が読み取れる。
「汝がいるではないか……ミカエル。今日から汝が天界をーーいや、三つの世界の秩序を守るんだ」
神は少年のような容姿からは想像できない口調と雰囲気を醸し出し、ミカエルと呼ばれた男の顔を覗いた。
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