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朝陽は、クラスが別。
瞬は、教室の一番後ろ、窓際。
俺は、教室の前の方、廊下側3列目。
そんな感じで、
教室に入ってしまえばバラバラになる。
だけど、
いつも通り朝陽も教室に来て、瞬のとこに居た。
俺は後ろを振り返ることなく、
ひたすら机に向かって予習をしていた。
朝陽が不思議そうな顔で覗き込みに来たが、
予習で忙しいフリをしたら、そっと離れて行った。
「でねっ!今日はねー」
教室の端と端なぐらいなのに、耳に入ってくる楽しそうな会話。
俺は堪らず音楽プレイヤーを取り出し、
最大音量にして耳につけた。
…それでも、まだ耳に声が聞こえてくる気がした。
とっくに終わった予習を、
俺は一心不乱にやっていた。
余計なことを考えないように、
……思い出さないように。
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