転校生

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「じゃあ、田上ぃ!  そこ退いて後ろの山本の席行けー」 えー…と隣の田上が不平の声を漏らしたが、 ぐずぐずすんなよ、と担任が言うと、しぶしぶ移動した。 「んじゃ。  イロイロなこと、手取り足取り 教えてあげろよ?ちぃ~ちゃん」 「うっせ!変な言い方すんな!!その呼び方やめれ!!」 べーっと担任に向かって舌を出す。 ……まぁ、こっちに来る転校生にも丸見えな訳で… 転校生の奴が忍び笑いをしながら、 右隣の席について俺の方を見た。 「くっくっ……イロイロよろしくな、ちぃちゃん?」 (…ムッカつくっ!) 俺は担任にしたのと同様に、 隣の奴にもべーっ!!と舌を出した。 それによって、更に楽しそうに笑いやがった。 (…ほんと、コイツ…ムカつく!!) また舌を出したくなるのを抑えて、教卓のほうをツンと向いた。
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