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HR終了のチャイムが鳴り、
俺は1限の仕度をしようと立ち上がった。
「あー!晃ぁー!!」
教室に朝陽がやって来た。
にこにこ手を振っている。
「おーぅ。来たぜー!!」
ひらひらと手を振り返している。
「あれ?ちっちゃんの隣の席なの?!」
朝陽が驚いた顔で僕たち2人を見る。
すると、隣のヤツも興味深そうな顔で「へぇ…」と呟いた。
「アンタが『ちっちゃん』だったのか。」
「………」
話しかけられたが、あんなムカつく奴は無視するに限る!
俺はだんまりを決め込んで、
奴を無視して後ろのロッカーに教科書を取りに行こうとした。
――とき、
「ぅわっ!?」
「おぉっ!ちぃちゃん、かっるいな!!ちゃんと食ってるのか?」
コトもあろうに、奴が俺を抱き上げたのだ。
「ちょっ、下ろせバカー!!ッんにゃっ?!」
「腰ほっせー…」
奴が持ち上げながら俺の脇腹を揉みだした。
俺はくすぐり、特に脇腹と首周りが弱い。
やられると直ぐに顔が紅くなってしまうんだ。
「…んゃ…ぁ、やだァ…ッ!」
「ちぃちゃん可愛いぃ~…ん?」
ふと、奴が手を止めた。
俺の後ろの方へ顔を向けているが、
何を見ているのか気にする余裕は無かった。
「……怖っ」
小さく奴が呟いて、すぐに俺を下ろした。
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