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「もう!なんだよオマエ!!」
俺が噛み付くと、視線を俺のほうに戻して笑った。
顔一つ分小さい俺の頭を撫でた。
「ごめんごめん~
ちぃちゃんが俺のコト無視するから、つい☆」
「『つい☆』じゃねぇ!『つい☆』じゃ!!
ってか手ぇ離せー!!」
「やーだよ!ちぃちゃん、かぁわいぃ~」
ぎゃんぎゃん騒いでいると、
俺を覆う影、…瞬がやって来た。
「ねぇねぇ。ちっちゃんがこんなに毛嫌いするのって珍しくない?」
「まぁ、そうだな」
朝陽の問いかけに、瞬が頷いた。
話題は俺のことなのに…壁があるように感じて、
俺は今度こそ後ろのロッカーへ行った。
(…まだ顔合わせ辛いなぁ…)
あれからずっとバイトに明け暮れて、
あの日のことも頭の片隅に追いやったと思ったのに…
ちら、と後ろを振り向く。
朝陽が楽しそうに椎葉を紹介していた。
瞬は朝陽の隣で、会話している。
(…そこで、話すんじゃねぇよ。)
八つ当たりのように、心の中で怒る。
自分の席へ戻るに戻れないので、
俺は仕方なくC組に行ってだべることにした。
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