線香花火

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「あっ、彰ー!」 初夏、あちぃけど暇だった俺は外でてきとーにぶらぶらして帰ってきたところで、幼馴染の由紀に会った。 「由紀。久しぶりだな」 「ごめんねー、全然遊べなくて…」 久しぶりに会った由紀は大人っぽくなっていた。 けど、笑顔はあの頃と変わらない。 そう、俺が好きな頃から―― 「ん?それ、花火か?」 「え?あー、うん。健とやろうと思ってたんだけど、明日、試合だからやらないって言われちゃって…」 健は、俺の親友で、由紀の彼氏。 健は独占欲強いから、由紀が男といることすら許さない。 そこはめんどくさい奴だけど、まぁいい奴。 「だったら、俺とやろうぜ」 「やりたいけど、健に怒られないかな…?」 「へーきへーき、俺だし」 ほんとはだめだけど、何故かこの時、無性に由紀と居たかった。 「ま、いっかー。断った健が悪いんだー!」 「そうそう」
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