魚の行き先

いち

公園内をうろうろしていると、いきなり後頭部に小さな衝撃が走った。

｢痛った!?｣

突然のことだったなので、語尾が疑問系の悲鳴をあげて振り替えると、２人の女子高生がぽかんと口を半開きにしていた。

…あれ？あの制服どっかで見たことあるような…。

｢…今なんか空中で跳ねたよね。｣

｢うん…。いやでもありえな…｣

私の足下には青汁三昧と書かれた缶が転がっていた。

なるほど。

どうやら女子高生達が投げた缶が私の後頭部でワンバウンドしたらしい。

私の姿は人間には見えないんだから、２人には缶が空中でワンバウンドしたように見えたのだろう。
２人は私の後頭部(２人にとっては空中)と缶を交互に見て目を白黒させている。