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「ふざけないで……こ、怖いんでしょ? わかってるもん。みんな同じ。わたしのこと、まるで……ば、化け物みたいに見る。あなたも同じ。怖がってる。だから嫌い。――――嫌い! どいつもコイツもッ!!!」
部屋の中心で一人、床に座り込んでいたフランちゃんが、抱いていたクマのぬいぐるみを投げ捨てると、一息に立ち上がり、手のひらを、無造作にぐっと握って見せた。
俺の背後にあったあの扉が、ふっと瞬いたかと思うと、次の瞬間――ゴッバァッ!!!! と、強烈な爆音をまき散らして、いくつかの岩石の破片となって砕け散った。
「ッ…………!?」
破片が、俺を避けて床に転がる。扉が跡形もなく消え去り、ひゅるり、と冷たい風が部屋に舞い込んできた。
フランちゃんが、あの時の……狂気に満ちた顔で、瞳で、息を荒くして俺をギラギラと睨んでいた。
な、なんだなんだ、いきなり!
「はぁ……はぁ……ッ!! 怖いでしょ……怖いよね! ほら! 今、怖いって思った! だったら帰ってよッ!! そんな目でわたしを見るなッ!! 次は本当に殺すよ! わかったら、帰れッ!! お前らなんか大っ嫌いだッ!!」
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