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と、そこで勝負を焦ったか、剣が一転して大振りになる。ここだ! 飛び込んで、面を小さく入れる!
その咄嗟の機転を、即時行動に移した俺は、しかし踏み込んだ瞬間に、視界の中心で捉えたフランちゃんの口元がにやりとするのを見て、あっと声を詰まらせた。
「やべっ……」
フェイントだ。
気付いた時には遅かった。フランちゃんが、さっと剣先を引く。裏をかかれ、綺麗に得物をすかした俺は、流れた身体を立て直す暇もなく、返しの一撃を額に叩き込まれた。
「あ痛っ」
すぱんっ、という鋭い音に合わせて、身体が弾かれ大きく仰け反る。そのまま冷たい床に倒れ込んだ俺を見て、フランちゃんが、満面の笑みになった。
「やったぁ! 当たった! 勝った!」
ぴょんぴょんと跳ねて、羽をしゃらしゃらと鳴らす。う、うそ、負けた……。
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