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途端に横道に入り、続いて階段を降りる。また廊下に出たかと思うと、今度はその一端に、人を縦に三人並べたほどに高い、巨大な扉があった。
「……中に恐竜でも飼ってるのか?」
「こんな扉じゃ、カバも止められないわよ。まだ少し歩くわ」
「うげ……」
見かけ倒しというか、巨大な扉は軽く押しただけで開き、その先は深い闇に包まれた螺旋階段に繋がっていた。ひゅうう、と冷たい風が立ちのぼってくる。
扉に引っかかっていた燭台を手に取り、咲夜がそれに火を灯し、階段を降りていく。
「足下に気をつけなさい」
「足下、見えないんですけど」
「そう」
『そう』……じゃねーでしょ。ラッキースケベな展開になっても知らないからな。
「……あ、そういえば、仕事って何?」
階段を下りながら、咲夜が振り返る。
「フランお嬢様の遊び相手よ」
「淫乱なお嬢様のアソビ相手?」
「……ああ、そう。夕食の食材が足りなかったところなの。丁度よかったわ」
え、いや、丁度って何が?
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