207人が本棚に入れています
本棚に追加
秋の稲穂のような、金色の髪筋。
両肩に生えた翼は、皮膜があるべき所に水晶を吊り下げてあるという、まるでシャンデリアにちょうちんをぶら下げているかのような奇妙さを思わせる形。
そして、どことなくレミリアに似た、他人を寄せ付けない雰囲気をまとう年端のいかない少女の姿。
あ。前に俺の腕を吹っ飛ばした子だ。
「あー! そっか。フランちゃんって、キミのことだったんだ。なーるほど」
「……? あなた、だれ?」
静かにすわった瞳で、フランちゃんが俺をじとりと睨む。あっちはどうやら、俺を覚えてないみたいだ。
「俺、東逧。前に会ったことがあるんだけど……覚えてないかな。キミに、腕を吹き飛ばされたりしたんだけど」
「……その左腕?」
腕の厚みのない左袖を見て、フランちゃんが尋ねる。
「ああいや、これはまた別」
「ふぅん……よく腕が吹き飛ぶんだね」
たしかにね。
最初のコメントを投稿しよう!