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二人は俺の方に来て言った。
「悪魔にとり憑かれた者は気絶じゃダメなんだ」
気絶じゃダメ?
なら、なんなら良いんだよ?
そう聞いてみたら…。
「一度…殺してしまうんですよ」
天使はショットガンを会社員に向けて、ガシャンと引き引き金を引いた。
ズガン、と爆発音を鳴らしショットガンが火を吹き、それとほぼ同時に会社員が跳ね上がり血が辺りに散る。
本当に殺しやがった…。
「心配する必要はねぇよ。お前、周りを見て何か気付かないのか?」
…周り?
俺は魔王に言われて周りを見渡した。
そして色々なことに気付く。
まずは、空が灰色になっていること。太陽までが灰色だ。
もう一つは……。
「まさかな…」
それを確認するため、ちょっと先に行った所にある曲がり角に急ぐ。
「待て、何処に行くんだよ」
魔王の言葉を無視して走り、やっと辿り着いた。
「……誰もいない?」
俺は、曲がった先を見てそう呟いてしまった。
通常なら曲がった先に商店街があり、この時間は賑わっているはず…。
なのに、人っ子一人いない。
どうなってるんだ?
あの会社員が現れるまではまだ、空は青く日が西の空に傾いてた筈なのに……。
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