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翌日。
俺はカーテンの隙間からこぼれる日の光で目が覚めた。
アニメとかみたいに、チュンチュンと小鳥の鳴き声が無いのはちょっと残念だ。
「………」
時計を手に取り、時間を確認するとまだ六時半だった。
いつもは七時の目覚ましで起きるのだがな…。
寝ぼけた状態で部屋から出て、階段を下り一階に降りて洗面所に向かう。
冷たい水で顔を洗い、目が覚めた所で朝食を食べるためにリビングに向かった。
「おぉ? 兄ちゃん今日は早いんだな」
リビングの扉を開けると、ハッカーの妹がパソコンを弄りながら声をかけてきた。
「目が覚めてしまってな」
「早いけど朝食食べる?」
「あぁ、頼む」
ハッカーだからと言って引きこもりではない妹。
さすがに小学生から不登校で引きこもりは兄として困るからな。
「ん、フレンチトーストだ。あとコーヒー」
妹が作る料理はかなり美味い。俺がシスコンと言うわけではないぞ? 真面目な話だ。母に三歳の時から教え込まれた所為か料亭の料理人より美味いのだ。
「兄ちゃん」
「どうした?」
「冥界に狙われてるらしいな」
「ブッ!?…ゲホッ!ゲホッ!」
いきなりのことで噎せてしまった。
「兄ちゃん汚い」
「すまない。で、なんで知ってるんだ?」
「この前、入れなかった所があってな。今回いろいろ駆使して無理矢理入り込んで入手した資料に書いてあった」
はい、と言って資料をコピーしたのか紙を渡してきた。
……俺の顔写真に名前、経歴まで書いてあるのか……。
ストーカーめ。
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