531人が本棚に入れています
本棚に追加
「まぁ、兄ちゃんなら大丈夫だと思うけどな!」
妹は笑いながらフレンチトーストとコーヒーを持って、リビングから出ていった。
おそらく兄貴の部屋に届けにいったのだろう。
俺は手元の資料に目を移す。
……にしてもよく調べてあるな。
俺の氏名から始まり、親、兄弟、通う高校、学力、体力等、様々なデータが載せてある。
だが、学力と体力は本来の物では無いようで、学校で計った平均の数値だった。
「なんだ。まだ食べてなかったのか? 温かいうちに食べなよ兄ちゃん」
「あぁ、悪いすぐ食べる」
資料をテーブルに置き、フレンチトーストに口をつけていく。
全て食べきった所で食器を持ち流しに置く。
「あ、兄ちゃん! 今日は日直だからもう行くな!」
妹はランドセルを背負って言った。
時間は七時十五分。まぁ日直ならこの位の時間で出るのがちょうどいいな。
「あぁ。いってらっしゃい」
「行ってきまーす」
妹を見送り、再び椅子に座ってコーヒーを飲む。
今日は早めに家を出るかな。
そう思いコーヒーを飲み干したあと自室に戻り、制服に着替え家を出た。
最初のコメントを投稿しよう!