531人が本棚に入れています
本棚に追加
「……で、何故いるんだ?」
家を出ると、魔王と天使がいた。
「おはようございます。深水くん」
「よっ!」
礼儀正しい天使と片手をあげる魔王。
「…おはよう。で、何故いるんだ?」
挨拶をされたら挨拶を返すのが礼儀だ。
「迎えに来ました」
「行きも一人にさせるわけにはいかねぇからな」
…やはり夢落ちはあり得ないか。まぁ、朝の資料からして淡い期待は粉々に砕け散っているのだが……。
「あと、これを渡しておく」
と、魔王はマグナムを渡してきた。手にずしりと来る重さから本物なんだろう。
「それはS&W M500って言うマグナムだ。よくゲームとかで出てくるだろ」
確かに見たことはあるな。
「これでどうしろと?」
「護身用だ。一人になった時にでも使えよ」
「この世界では銃刀法違反になっちゃいますので、ストラップにでもしといてください。ストラップになれ~! って念じればストラップになりますので」
念じろとな?
試しに念じてみると、光を放って小さいマグナムが付いたストラップになった。重さも軽くなっている。
「これは…」
『ファンタジー補正です(だ)』
声を揃えて言う二人。
「…ツッコまないでおく」
「戻すときは戻れ~! って念じれば戻りますので、もしもの時は使ってください」
「因みに弾はストラップにしたら最装填されるから、弾がなくなったら一度ストラップにするといいぜ」
何も言うまい。どうせファンタジー補正だろうしな。
最初のコメントを投稿しよう!