初めて人を撃ちました

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「……で、何故いるんだ?」  家を出ると、魔王と天使がいた。 「おはようございます。深水くん」 「よっ!」  礼儀正しい天使と片手をあげる魔王。 「…おはよう。で、何故いるんだ?」  挨拶をされたら挨拶を返すのが礼儀だ。 「迎えに来ました」 「行きも一人にさせるわけにはいかねぇからな」  …やはり夢落ちはあり得ないか。まぁ、朝の資料からして淡い期待は粉々に砕け散っているのだが……。 「あと、これを渡しておく」  と、魔王はマグナムを渡してきた。手にずしりと来る重さから本物なんだろう。 「それはS&W M500って言うマグナムだ。よくゲームとかで出てくるだろ」  確かに見たことはあるな。 「これでどうしろと?」 「護身用だ。一人になった時にでも使えよ」 「この世界では銃刀法違反になっちゃいますので、ストラップにでもしといてください。ストラップになれ~! って念じればストラップになりますので」  念じろとな?  試しに念じてみると、光を放って小さいマグナムが付いたストラップになった。重さも軽くなっている。 「これは…」 『ファンタジー補正です(だ)』  声を揃えて言う二人。 「…ツッコまないでおく」 「戻すときは戻れ~! って念じれば戻りますので、もしもの時は使ってください」 「因みに弾はストラップにしたら最装填されるから、弾がなくなったら一度ストラップにするといいぜ」  何も言うまい。どうせファンタジー補正だろうしな。
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